は、明星大学の持つシェイクスピアの貴重な資料を世界レベルで共有することを目的として始められました。このような貴重な文化的遺産を保存することと、広く公共の利用に供することを両立させることは困難なことです。しかし、昨今の情報工学の発展がこの問題を解決しつつあります。そこで我々は、「明星大学シェイクスピア・コレクション・データベース・プロジェクト」 (MUSC: The Meisei University Shakespeare Collection database) を発足させました。2002年度には、「明星コピー」と呼ばれるファースト・フォリオの『ヘンリー六世・ 第1部』の終わりまでの全ページを、そして、2003年度に残りを含め全体を完成させました。
さらに、それに対応する山田昭廣元明星大学教授(元明星大学図書館長、
現信州大学名誉教授)による「明星コピー」の17世紀読者による書き込みの転写と研究をデータベースとして構築することができました。
2005年度にはセカンド・フォリオもデータベースとして加わり、
ファースト、セカンド・フォリオの相互参照も可能となり、
よりデータベースとしての完成度を高めました。そしてついに2006年度に、
フォース・フォリオまで4つ、
すべてのシェイクスピア・フォリオのページ画像をデータベースに収めることができました。
2007年度にはシェイクスピア・ファースト・フォリオ出版への道を切り開いたと位置づけられているベン・ジョンソンの1616年に出版されたフォリオもデータベースとして加わりました。
ファースト・フォリオの全ページ画像とセカンド・フォリオの一部は4x5のフィルムで撮影され、ディジタルスキャンニングされたものです。それ以外の部分は高性能ディジタルカメラで撮影されたものです。貴重性の極めて高いファースト・フォリオについて直接ディジタル撮影を行わなかったのは4x5のアナログフィルムによる解像度の高い画像による資料の現状記録を重視したためです。
本ホームページでは公開していませんが、ファーストフォリオとセカンドフォリオの一部は1ページ当たり200MB程度のTIFF形式の画像ファイルによる保存も行っています。その他のページも50MB程度のTIFF形式の画像ファイルによる保存を行っています。これらの画像は研究目的に提供することも予定されています。 ご質問等はこちらまでお願いします。
本データベースは平成14年度文部科学省私立大学等経常費補助金からの助成を受けたほか、ジョンソン・フォリオ1616の部分は独立行政法人日本学術振興会平成19年度科学研究費補助金(研究成果公開促進費)の交付を受けました(課題番号198013)。