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公開コピーについて
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MUSCデータベースに収録されたベン・ジョンソン・フォリオのページ画像は、1981年に明星大学図書館蔵書に加えられた請求番号982J72 1616g (MR1092-f)で特定されるコピーから撮影されたものです。MUSCデータベースの基本方針にしたがい、興味深い書き込みの存在のゆえに本コピーが画像採取の底本に選ばれました。
しかしながら、MR1092-fは残念ながら完全なコピーではありません。前のボードは残っているものの、製本の綴じが完全に崩れてしまっている本コピーは、早くにタイトルページを失ってしまったようです。それを補うために、ある時点で、別の場所からもってこられたEvery Man Out of his Humourのタイトルページに使われている版画入りのページの真ん中部分、すなわち、タイトルを活字で入れる部分をくり抜き、The Workes of Beniamin Jonsonとおそらくは手書きした紙を替わりに埋め込んでつくった代替表紙が作られたようです。MUSCの画像番号2をご覧になると、その様子をかなりはっきりと見て取ることができるでしょう。
表紙のほかにも、本コピーには、欠損箇所があります。欠けているのは、¶2、¶2v、¶6〜A1v、G3〜G4v、M3〜M4v、Qqqq3〜Qqqq4vの全部で18ページです。MUSCでは、このような欠損箇所に対しては明星大学図書館所蔵の別のコピー、MR781から採取した画像を使用してデータベース化しました。別コピーからの画像であることは、当該画面上に表示されています。表紙とその裏の画像はMR1092-fの画像ページからMR781というボタンをクリックして表示するようになっています。
MR781は1980年に収蔵されたコピーで、ジョンソンがトマス・ファーナビーに贈った献呈本です。マーク・ブランド氏が上述の論文のなかで「現在は日本にある」(p. 29n)と言及しているのが本コピーです。有名な美しいタイトルページの裏の白紙にジョンソンの筆跡が残っています。
ジョンソン・フォリオ1616の他の献呈本が通常そうであるように、MR781は普通紙ではなく大判紙に印刷されています。ちなみに、普通紙に印刷されたMR1092-fのサイズは28 x 18.5cmですが、MR781のサイズは31.5 x 20.5 cmです。大判紙であることはウオーターマークからも確認されます。
March 31, 2008
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