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公開コピーについて

MUSC(the Meisei University Shakespeare Collection)データベースで公開するセカンドフォリオは明星大学図書館所蔵の請求番号 932.141 Sh 12 1632-21または貴重書番号MR 3571で特定されるコピーで、そのサイズは 325x235 mmと計測されます。1990年に明星大学図書館所蔵となる前、このコピーは他の3つのフォリオとセットでウスターシャー、スタワーブリッジのハグリー館の所蔵本でした。ハグリー館(Hagley Hall, Stourbridge)の蔵書票がPast-down Endpaperに貼られているほか装丁にも同館の所有者であるコバム家の紋章があしらわれています。 1枚目の裏の‘To the Reader’ (sig. πA1v) はファクシミリーです。つづく2枚目の表紙(sig. πA2)は別の紙で裏打ちをするという補修がほどこされています。裏打ちの紙 (sig. πA2に相当) にはFestina Lenteと記された別の蔵書票が貼られているのが画面からわかります。同じセットにふくまれていたファーストフォリオはWest 210です。このコピーがデータベースによる公開対象として選ばれた理由は、ファーストフォリオの「明星コピー」の場合とおなじように、興味深い書き込みの存在があるからです。

セカンド・フォリオの書き込み

このコピーでは、はじめの二作品『あらし』(The Tempest)と 『ヴェローナの二紳士』(The Two Gentlemen of Verona)、 それに続く『ウィンザーの陽気な女房たち』 (The Merry Wives of Windsor)の冒頭部分まで、 インクによる書き込みが見られます。 書き込みは主に1から9までのアラビア文字と9種類の記号からなっています。 2カ所だけ、いずれも『あらし』に付けられた注ですが、ジョンソン博士からの引用が書き込まれています(Sigs. A6v & B4)。 『あらし』の最後に書き込まれた方のジョンソン注はジョンソン版シェイクスピア戯曲集の1765年の初版にはなく、 1773年のスティーヴンズによる改訂版以降の版に掲載されている注釈の一部です。 詳しい書き込みの転写はNoriko Sumimoto, `The Tempest and The Two Gentlemen of Verona: Annotations in a copy of the Second Folio of Shakespeare'(『明星大学研究紀要』 Vol. 40 (2004), 173-79.)をご覧ください。 数字や記号は何らかの注と対になって意味をもつはずですが、 ジョンソン注の引用2例以外については注本体は別の紙に記入されたものと思われます。 だれがどのような目的でこうした書き込みを残したのか詳しいことはまだわかっていません。

March 31, 2006

セカンド・フォリオの画像差し替えについて(2018.2.19)

2018年2月19日 セカンド・フォリオの画像(画像番号81-908)を差し替えました。これらの画像番号のページで本来意図していたMR3571の画像ではなく、MR1964の画像が採取され掲載されていたことが、サイトユーザーでもある共同研究者と一緒に明星大学図書館所蔵のセカンド・フォリオを調査していてわかりました。このミスを長らく見過ごしてしまったことを大変遺憾に思いますとともに、研究にご利用いただいたみなさまにお詫び申し上げます。なお、MR1964の全頁画像はこちらをご覧ください。

Feb 19, 2018


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